かつては税理士や公認会計士・弁護士・社会保険労務士などの有資格者は事業所に勤務していない場合は、
個人事事業主とみなされて雇用保険の失業給付が受けられませんでした。
しかし、平成25年2月から要件が変わり、事業所に勤務していなくても要件を満たせば受給できるようになりました。(詳しくはこちらPDF)
税理士が独立して開業した場合は、雇用保険の再就職手当金が受給できます。
そこで、雇用保険の再就職手当金についてまとめてみました。
再就職手当金は事業を開始しても受給資格がある
再就職手当とは、基本手当の所定給付日数の3分の1以上の支給日数を残して、安定した職業に就き、支給要件を全て満たした場合に、支給を受けることができるものです。
再就職手当は就職と書いてありますが、事業の開始も含まれます。そして、その開始は税理士や公認会計士・弁護士の開業も含まれます。
支給要件は多いが、つまるところ悪意を持って不正受給しないことが大事
- 基本手当の所定給付日数が、所定給付日数の3分の1以上あること
- 1年を超えて勤務することが確実であること
- 待機満了日後の就職であること
- 離職理由による給付制限を受けた場合は、待機満了日後1ヶ月については、ハローワーク等の紹介により就職したものであること
- 離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと
- 就職日前3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けていないこと
- 受給資格決定前(求職申し込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと
- 原則、雇用保険の被保険者要件を満たす条件での雇用であること
受給手続きの流れ ※待ってるだけではもらえない
自己都合で退職した場合の手続きです。
当然ですが、受給を受けるためには手続きが必要です。
勘違いをして、何も手続きせずに待機期間終了後にハローワークに行っても受給できません。
自己都合の退職の場合は3ヶ月の給付制限があるので、勘違いには注意です。
〈1回目〉受給手続きと求職の申し込み
最初のハローワークへの来所は、受給手続きと求職の申し込みからです。
必要書類は、下記のとおりです。
- 離職票(前の会社に発行してもらいましょう)
- 印鑑
- 身分証(運転免許証など)
- 最近の写真2枚(縦3cm×横2.5cm)
- 預金通帳(外資系金融機関とインターネットバンキング以外)
〈2回目〉雇用保険説明会と初会講習会
待機期間7日後に説明会に参加します。時間は3時間前後です。
そこで、受給に関する説明を受け受給資格者証と必要書類を受け取ります。
〈3回目〉初回認定日
説明会参加後の初回認定日にハローワークに行きます。
認定日ごと(原則として4週に1回)に失業認定申告書を提出します。
自己都合の退職場合は、給付制限が3ヶ月あるため、2回目と3回目の認定日は来所不要です。
〈4回目〉再就職手当の申請
再就職手当を受給する場合、最初の1ヶ月はハローワークの紹介状が必要です。
税理士が開業する場合は、1ヶ月経過後に再就職手当の申請をすることになります。
必要書類としては
- 再就職手当支給申請書
- 雇用保険受給資格者証
- 開業を証明する書類※
※ハローワークに確認したところ次の書類を用意して欲しいとのことでした。
・開業届
・税理士会へ提出した異動届
・賃貸借契約書
〈5回目〉審査および支給
再就職手当の申請をするとハローワークで審査を受けます。
結果が出るまで、おおむね2ヶ月位かかり、その間に開業の確認の連絡があります。
審査に通ると、通知書が郵送され、1週間ほどで入金となります。
やはり、不正受給防止の観点から支給には手間がかかるようです。
再就職手当の計算(2015年)
支給額は、所定給付日数の3分の1以上を残して就職した場合は、支給残日数の50%、支給残日数の3分の2以上を残して就職した場合は、支給残日数の60%に、基本手当日額を乗じた金額です。
基本手当日額 ※1上限あり × 所定給付日数の支給残日数 × 50%または60%
※1 基本手当日額の上限
離職時の年齢が60歳未満・・・5,830円
離職時の年齢が60歳以上65歳未満・・・4,725円
なお、再就職手当は、早期に再就職すると給付率が50%から60%にアップするため、早めの就職が良いようです。
引用:厚生労働省HP「基本手当の所定給付日数」参照
まとめ
雇用保険の再就職手当を受給するために何回かハローワークへ通いましたが、
受給手続きは、たいへんでした。
しかし勉強にもなりました。
では、また。