個人事業主や中小企業のオーナーなどは何とかして税金を抑えたいと考えていませんか。
とくに、個人事業主(いわいるフリーランス)で1,000万円近く収入がある人は、税金を低く抑えたいために法人化も検討しているかもしれません。
そこで今回は、収入が大きくなってきた個人で法人化を検討している人に向けて、個人と法人で考え方が異なる家賃について紹介します。
なお、法人化を検討している場合は、法人化のメリット・デメリットを紹介した次の記事を参考にしてみましょう。
個人事業主の家賃の考え方
自宅の家賃は事業部分のみ
個人の経費の考え方は、法人よりも狭く、事業に関係がある支出に限られています。
そのため、自宅を事務所として使っている方は、自宅の家賃のうち事業部分のみを経費に計上することができます。
なお、経費にできる割合は、広さで計算するのが一般的です。具体例は次のとおりです。
(例)家賃の按分割合
[事務所用]
① 書斎25㎡
② トイレ(共用)3㎡✕25㎡(書斎)/50㎡(全体)=1.5㎡
③ ①+②=26.5㎡ (事業割合 26.5㎡/51.5㎡)
自宅と事務所を別々に借りている場合
自宅と事務所を別の場所に借りている場合は、事務所の家賃は100%経費になりますが、自宅の家賃は経費になりません。
法人の家賃の考え方
自宅の家賃を経費にできる社宅制度
法人では、自宅の賃貸借契約を法人契約にすることで、自宅を社宅とすることができます。
ただし、自宅の家賃のうち、一定額を自分で負担することが条件です。
もし、個人負担分を超える家賃を法人が負担していると、給料(役員だと役員報酬)になってしまうため、注意が必要です。
家賃の個人負担額は役員と従業員で違う
個人で負担する家賃相当額ですが、これは、役員と従業員で計算方法が違います。
計算には、建物の固定資産税の課税通知書を使うため、大家さんとの関係で手に入らないことも考えられます。
そういう場合は、最終手段ですが、家賃の半分を負担することもあります。しかし原則は計算で出しましょう。
個人が負担する家賃相当額(国税庁ホームページより)
会社で自宅を購入した場合
会社で自宅を購入した場合は、自宅の経費を会社で負担することになります。具体的には、次のような費用です。
- 借入金の利息
- 建物の減価償却費
- 固定資産税
- 管理費など
いろいろな支出を経費にできる反面、住宅ローン控除が使えなくなります。
住宅ローン控除は、所得税の計算ではかなり有利な制度なります。
自宅を購入する際に会社で購入するか、個人で購入するかの判断は、人によって異なります。
私見ですが、最悪会社が倒産すると、会社名義の自宅は処分の対象になり得るため、自宅で購入した方がいいと思います。
費用負担だけでなく、将来性も考慮して判断すべきかなと思います。
まとめ
家賃の考え方を個人と法人で区別して紹介しました。
法人の方が自宅を経費にしやすいため、設立したての法人でキャッシュフローが上手く回ら人にとっては、有効な節税手段になります。
個人でも、自宅家賃のうち経費にできるものは探してみましょう。