会社員にとって通勤費は、実費という感覚で特にイメージがないでしょうか。
たしかに、通勤費は毎月の通勤に支払った金額を精算したものです。
しかし、税務から見た通勤費と社会保険から見た通勤費は、取り扱いの方法が違います。
そこで、通勤費を税務の視点と、社会保険の視点から比べてみました。
税務から見た通勤費
10万円まで非課税、今後の改正で拡大の可能性もあり
所得税の計算では、通勤費は最高10万円まで非課税で課税されません。
通勤費が非課税なのは、通勤費を実費と考えているからだと思います。
なお、消費税の増税や新幹線通勤を考慮して、今後の改正次第では15万円まで拡大するという話もあります。
電車・バス等の公共交通機関を使う場合はの注意
電車やバスを使って通勤する人の通勤費も最大で10万円まで非課税です。
ただし注意したいのは、通勤経路を経済的で合理的なものにしなければならない点です。
故意に遠回りをして、多くの通勤代を請求をすると、給与課税される可能性があります。
今は、Yahoo!やgoogle、NAVITIMEなどのツールで合理的なルートと定期代を検索できるため、不正しにくいですが。
また、通常の通勤費でも、10万円を超える通勤手当は、超えた分に対して給与と同じように課税されます。
マイカーや自転車で通勤する人の通勤費は距離で計算
マイカーや自転車で通勤する人の通勤手当は、片道の通勤距離で計算します。
下記の図は、国税庁のホームページから抜粋した表です。
なお、通勤の片道距離に関しては、グーグルマップが使えます。
グーグルマップで出発地点と到着地点を指定してルートを検索すると、合理的なルートと距離が検索できます。
なお、過大な通勤費は、電車やバスの場合と同じく、課税されます。
社会保険から見た通勤費
社会保険料の算定には、通勤費を含める
給与明細の控除項目を見ると、厚生年金や健康保険、雇用保険料の社会保険料と、所得税や住民税の税金があります。
税金は、先述の通り、通勤費は原則含めないで計算されています。
しかし、社会保険では、通勤費も家族手当や住宅手当と同じように考えて、社会保険料の算定に含めます。
つまり、同じ給与の同僚でも遠くに住んでいれば、多く社会保険料を自分より多く納めていることになります。
社会保険料を多く納めることのメリット・デメリットは自分次第
遠くに住んで通勤費を多くもらっている人は、その分多く社会保険料を納めています。
そのため、毎月の手取額や、将来の年金が、同じ給料の人同志でも違ってきます。
これは、将来を考えると年金を多くもらえるというメリットになりますが、手取りが少なくなる可能性もあります。
これは、人それぞれの考え方ですが、毎月の手取りと将来の年金のバランスではないでしょうか。
まとめ
通勤費を税務の視点と、社会保険の視点から比べてみました。
通勤は毎日のことなので、近いとストレスがなく便利ですが、電車で居眠りする気持ちよさも捨てがたいと思ってしまいます。