「神社に祭礼奉納金を納めたけど、これって交際費?寄付金?」
年に1,2回しか出てこない科目で悩んだりすることはありませんか?
自分もたまにしか出てこない支出は、迷ってしまい1年前の仕訳を検索したりします。
とくに、交際費は隣接する勘定科目との違いが分かりにくいので、判断に迷います。
そこで今回は、交際費に該当するための3つの条件と、交際費と寄付金を区別するための、2つの要件を紹介します。
交際費とは
税金計算上の交際費は、一般的な交際費のイメージよりも広くなっています。
事業関連者に対する接待、供応、慰安、贈答等の支出を一旦すべて交際費に含めた上で、その中から福利厚生費や会議費、寄付金などの勘定科目を除外した残りが交際費になります。
交際費等の三要件
交際費の要件は、次の三要件と金額、効果等から総合的に判断します。
- 支出の相手方が、事業に関係あること
- 支出の目的が、取引の円滑な進行であること
- 行為が、接待、供応、慰安、贈答、その他これらに類する行為であること
事業に関係ある支出の相手方は、取引先だけじゃない
税金計算上の交際費の事業関係者は、得意先や仕入先のような取引先だけではありません。
意外かもしれませんが、次のように、自社の役員や従業員、株主等も含みます。
- 製造業者における小売業者
- 近い将来、事業と関係を持つに至る者
- 新規に取引を開始しようとする者
- 自社の役員、従業員、顧問及びその親族
- 自社の株主、出資者
- 医薬品メーカーにおける医師や病院
一般的なイメージの交際費よりも、かなり範囲が広くなっています。
交際費機と寄付金を判定する2つの要件
交際費と寄付金を区別するための2つの要件は、次のとおりです。
- 支出の相手方
- 支出の目的
交際費は、支出の相手方の範囲が、先ほどの事業関係者ですが、寄付金は、事業と関連性がない(薄い)相手方になります。
また、交際費は、支出に対して何らかの見返りを求めます。いやらしい話ですが、支出に対して取引の拡大や、円滑な取引を求めます。
しかし、寄付金は、支出に対して直接または間接的な見返りを求めません。
お寺への奉納金の勘定科目
お寺への奉納金は、原則として寄付金に該当します。
しかし、お寺が得意先である場合は、交際費に該当する場合もあります。
政治家主催のパーティー券の購入費用の勘定科目
政治家主催のパーティー券の購入費用は、原則として寄付金に該当します。
しかし、パーティーへの参加目的が、政治家やパーティー出席者との交流を目的としていたり、
得意先に贈答する目的で購入した場合は、交際費に該当する場合もあります。
まとめ
勘定科目のうち、交際費と寄付金の違いを紹介しました。
同じ取引でも、視点を変えると交際費にも寄付金にもなります。
税務署から指摘を受けないためにも、支出の意図や、目的、支出の相手方を総合的に判断する必要があります。