書店の雑誌コーナーで見かけるようになったのが、マイナンバーが始まるとホステスやキャバ嬢、風俗嬢が不足するという記事です。
マイナンバーが始まると、申告していなかった水商売の収入が、税務署にバレるという理由から、仕事を辞める人が増えるという内容です。
しかし、水商売の収入が税務署に、どのような流れでバレるのか分からない人もいると思います。
そこで、風俗嬢やキャバ嬢のための、マイナンバー開始後の確定申告について紹介します。
確定申告が必要になる収入金額
平日の昼間は、会社員として働き、平日の夜や休みの日は風俗やキャバクラで働いている人は、会社員としての給与以外に、20万円を超える所得(収入-経費)があると、確定申告が必要になります。
そのため、ほとんどの風俗嬢やキャバ嬢は申告が必要になりますが、これまで指摘される人は多くなかったのは、税務署の人員に限りがあり、一人ひとり調べるのは、労力が足りないためでした。
お店は、報酬の支払額を税務署に報告する義務がある
風俗店やキャバクラ(以下「お店」)は、風俗嬢やキャバ嬢に報酬を支払います。
基本的に、風俗嬢やキャバ嬢は、独立した事業主のため給与ではなく報酬になります。
お店は、報酬の年間の支払合計が、一定額以上だと、税務署に支払調書を報告する義務があります。(平成27年は50万円を超える場合)
ただし、すべてのお店が規則に従って報告しているかは、分かりません。
平成28年以降は、「支払調書」にマイナンバーを記載する
平成28年以降に支払う報酬については、マイナンバーが必要になります。
つまり、平成29年1月に税務署に提出する支払調書には、マイナンバーが記載されることになります。
※平成28年1月に提出する平成27年分の支払調書はマイナンバー不要
風俗嬢やキャバ嬢は、お店にマイナンバーを聞かれたら、報告する必要があります。
平成28年以降の支払調書の様式
国税庁
税務署はマイナンバーで報告金額と申告金額をチェック?
マイナンバーが始まると、税務署は支払調書のマイナンバーから、報告金額どおりに申告がされたか簡単にチェックできるようになると、言われています。
実際のところは、どこまで完璧にチェックできるかは未知数ですが、現状より簡単にチェックできることは確実です。
支払調書はもらえない可能性あり
風俗嬢やキャバ嬢が確定申告する場合に、収入の参考にするのが上記の支払調書ですが、お店は支払調書を風俗嬢やキャバ嬢にわたす義務はありません。
税務署に提出するついでに、本人にも渡してあげるというイメージです。
また、本人にわたす支払調書には、マイナンバーを記載しません。
住民税の特別徴収で、夜の仕事がバレる!?
お昼は会社員で、夜はキャバ嬢という人が、会社にキャバ嬢だとバレる理由の一つに、住民税があります。
確定申告をすると、その内容は住所地の市区町村にも流れます。
市区町村では、確定申告書の内容に従って、住民税を計算し、会社に報告します。
※住民税が一年遅れで徴収される理由はこれ
会社は、報告を受けた金額を、毎月の給与から引いて、市区町村に納付します。
給与から住民税を引く際に、給与に対して住民税が大きすぎると、副業がバレる可能性があります。
そこで、確定申告書には、給与以外の収入に対する住民税を、自分で払う方法を選択できます。
確定申告書二表の住民税の区分で、「自分で納付」を選択することで、副業分の住民税は自分で納付することになります。なお、給与に対する住民税は、毎月の給与から引かれます。
結婚している風俗嬢やキャバ嬢は配偶者控除と社会保険料に注意
風俗嬢やキャバ嬢が確定申告をする場合は、夫の扶養からはずれる可能性に注意しましょう。
配偶者控除の要件は、所得が38万円以下であることなので、確定申告したにもかかわらず、夫の年末調整で扶養に入っていると税務署か市区町村から連絡がある可能性があります。
また、収入が130万円を超えると、社会保険でも夫の扶養からはずれるため、自分で健康保険料や年金を払うことになります。注意しましょう。
まとめ:マイナンバーで副業ばバレる可能性は未知数
風俗嬢やキャバ嬢のための、マイナンバー開始後の確定申告のポイントを紹介しました。
雑誌などでマイナンバーで副業がバレると書いてありますが、実際は未知数です。
マイナンバーに行政機関ですら対応しきれていないため、すぐさま副業がばれるとは考えにくいですが、明らかな脱税行為はバレます。やめましょう。
私見ですが、風俗嬢やキャバ嬢を厳しく取り締まることで、水商売がアンダーグラウンド化すると、さらに問題が複雑になるため、ほどほどにした方が良いような気もします。