プロ野球選手はシーズンが終了すると、次のシーズンに向けてグアムやハワイなどリゾート地で自主トレーニングをします。
ここ数年では、チームの垣根を超えて他球団の選手と合同でトレーニングすることが普通になりました。
ところで、このトレーニングで支払う旅費や滞在費、トレーニング費用は、「税金対策なんでしょ?」と思っていませんか。
そこで、プロ野球選手のシーズン終了後の自主トレーニングの経費について調べてみました。
※この記事は、個人的な私見のため、申告を保証するものでありません。予めご了承下さい。
プロ野球選手の経費は意外と少ない理由
プロ野球選手は、ベンツなど高級車に乗っているイメージが強いですが、どうせ税金対策なんだと思われるかもしれませんが、実際に経費になる部分は限られています。
その理由としては、二つあります。
- ボールやユニフォーム、遠征費など基本的な部分は、球団が負担するため、選手の負担はない。
- 税法で「家事費」と「家事関連費」は、原則として経費と認められないため、全てが経費となるわけではない。
家事費と家事関連費は原則経費にならない
所得税の計算では、事業に関係のない費用を「家事費」と言います。
そして、事業に必要なものと必要ないものが混在している費用を「家事関連費」と言います。
体が資本のプロ野球選手は、日常の食事代も経費になるような気がしますが、食事は誰でもするため「家事費」として経費なりません。
また、「家事関連費」は、事業に必要な部分が区分できないため、事業に必要な割合が50%を超えないと、経費にできません。
ただし、事業に必要な部分の金額が50%以下であっても、その必要である部分を明らかに区分することができる場合は、その必要である部分に相当する金額を必要経費にすることができます。
プロ野球選手の経費の具体例
プロ野球選手の所得税の計算で経費にできるのは、次のように事業に必要な部分に限られます。
球団から支給されない道具代
球団から支給されない道具(バットやグローブ、スパイクなど)は選手個人の負担になります。
ただし、一流選手になるとスポンサー契約が付くため、道具はスポンサー企業から支給されるのが一般的です。
自宅と球場間の交通費
サラリーマンやフリーランスの交通費と同じように、プロ野球選手の通勤費は経費になります。
プロ野球選手の多くがベンツなどの高級車を購入するのは、このためです。
もちろん他にも、頑丈な車でケガを防止するためや、子供に夢を与えるためでもあります。
プロ野球選手が一般大衆車に乗っていたり電車で通勤しているのは、ロマンがありません。
私的以外の公的な交際飲食費
その他にも、他選手との通常の食事代は経費になりませんが、公的な集まりで支出した費用は経費なります。
最近はtwitterで夕食の風景をアップする選手もいますが、それを見るのは、ファン以外に税務署も含まれているかもしれません(笑)
海外リゾートでの自主トレーニングは必要経費?
プロ野球選手が、ハワイやグアムなどの海外で自主トレーニングする目的は、寒い日本を避けてケガを防止するためです。
そのため事業に必要と言えますが、別の視点として羽根を伸ばす目的も多分にあります。
上記の考えからすると、自主トレーニングの費用は、業務上必要であっても、必要な部分を明確に区分にできないため、原則必要経費にできません。
ただし例外として、専門的なトレーナーに支払う「指導料」は必要経費になります。
まとめ:海外での自主トレーニングは自腹だった
調べた限りでは、プロ野球選手のシーズン終了後のの自主トレーニングは原則経費になりませんでした。
つまり、プロ野球選手は自腹で自主トレーニングをしていたことになります。
野球ファンとしては、ニュースで見るプロ野球選手が楽しそうにトレーニングしている映像は、ロマンがありワクワクします。
来シーズンも是非応援に球場に行きますので、是非楽しい野球を見せて下さい。
なお、カープの新井選手が行う護摩行の費用は、確実に経費にならないでしょう。
しかし、精神面の修行があの豪快なホームランに貢献しているのは言うまでもありません。ガンバレ新井選手!