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又吉直樹『火花』│芥川賞の賞金は一時所得?事業所得?

投稿日 : 2016年1月25日 / 更新日 : 2016年6月17日

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又吉直樹『火花』第153回の芥川賞で、お笑い芸人『ピース』の又吉直樹氏が初の中編小説『火花』で初受賞しました。

同じく、羽田圭介氏の『スクラップアンドビルド』も受賞となりました。

このダブル受賞で2015年は本に注目が集まり、本好きとしては嬉しい限りでした。

ところで、ふと疑問に思ったのが、芥川賞の副賞である賞金に対する税金は、一時所得か事業所得かということです。

そこで、文学賞に対する賞金に対する税金について調べてみました。

※この記事は、私見のため、申告を保証するものでありません。予めご了承下さい。

芥川賞の賞金はいくら?

芥川賞の受賞で授与されるのは、正賞『懐中時計』と副賞『100万円』とのことでした。

なお、同じく双璧をなす直木賞も同じようです。(違ってたらすいません。)

正直なところ、「たったこれだけっ!」というのが感想です。

しかし、文学賞を受賞することで、その後の出版による印税収入が全く違ってくるようです。

最近では、芥川賞にしろ直木賞にしろ権威が落ちてきたと言われ、受賞した作品でも出版部数が以前ほど伸びないのが現実ですが、やはり文学賞としては日本随一です。

芥川賞の賞金に対する税金の考え方

芥川賞の賞金に対する税金については、『一時所得』と『事業所得』の2つの可能性があります。

『一時所得』と『事業所得』の違いは、下記を参照してもらうとして、一般的には『一時所得』の方が税金は有利になります。

そのため、人情として賞金を一時所得として申告したいところですが、次のような要件があります。

  • 継続性・対価性のない収入であること
  • 事業に付随しない収入であること

この要件は、個別の案件ごとに判断することになります。

『一時所得』と『事業所得』の違い

『一時所得』『事業所得』は次のように定義されています。

一時所得とは

[一時所得]

営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。

一時所得│引用:国税庁ホームページ

具体的には、『福引や懸賞の金品』『競馬の払戻金』『生命保険の満期一時金』などがあります。

計算方法は、「収入金額-直接要した費用-50万円」となり、さらに税率を乗じる前に一時所得の金額を2分の1にします。

所得に2分の1をするため、税金的には他の所得よりも税金が低くなる可能性があります。

事業所得とは

[事業所得]

事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。

ただし、 不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は事業所得ではなく、原則として不動産所得や山林所得になります。

事業所得│引用:国税庁ホームページ

計算方法は、収入金額から経費を控除して計算しますが、青色申告と白色申告があり、青色申告だと色々有利な特典があるのが特徴です。

ただし、一時所得のように所得金額を2分の1にすることはありません。

又吉直樹氏の『火花』の税金は一時所得?事業所得?

ここで、最初の疑問である又吉直樹氏の『火花』で獲得した芥川賞の賞金に対する税金に戻ります。

芥川賞の賞金は、原稿の対価ではないし、毎年受賞するものでもないため継続性もないため、一見『一時所得』の要件をみたします。

しかし、又吉氏の個人と要件を照らすと、又吉氏は芥川賞を受賞する前から執筆活動をしていたこと、賞を念頭に執筆していた可能性があることを考慮すると、『一時所得』ではなく『事業所得』に含めるのが妥当だと考えます。

なお、羽田圭介についても執筆活動は以前からしていたため、『事業所得』に該当すると思われます。

例えば、京極夏彦氏のようにサラリーマンをしながら執筆した著『姑獲鳥の夏』で第0回メフィスト賞を受賞したそうですが、その賞金は一時所得かもしれません。なお、賞金があったのか定かではありませんが。

まとめ:又吉さんは賞金の税金なんて考えてないよね

又吉直樹氏が芥川賞で獲得した賞金に対する税金を検討してみました。

しかし2016年1月時点で『火花』の発行部数は200万部を超えています。

一冊1,000円と仮定すると、200万部で売上は20億円となり、印税の割合なんて知りませんが3%と仮定すると印税収入は6千万円となります。

正直賞金100万円なんて端数でしかありませんので、気にも留めていないと思います。

それよりも、又吉さんには次回作の期待をするばかりです。又吉先生応援しています。

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