大学生にとって就職は人生の分かれ道となるターニング・ポイントです。
そんな大事な場面で、会計事務所を就職先の候補に入れていませんか?
以前、筆者が転職活動していた際に、ある会計事務所の説明会に参加すると、多くの大学生がいてすごく驚いた経験があります。
しかし、大学生が新卒というプラチナカードを使って会計事務所へ就職することは、あまりオススメしません。
そこで、大学生のために会計事務所の実態と、新卒で会計事務所へ就職しないほうがいい3つの理由を紹介します。
※これは、完全に筆者の個人的見解なので、最終的な判断は自分の基準に従いましょう。
会計事務所は税理士になる人が行く場所
会計事務所に就職する人は、税理士になることを志していることが前提条件です。
もちろん、税理士にならなくても会計事務所で働くことはできますが、会計事務所内での税理士と非税理士との格差は、会社の新入社員と部長くらい開きがあります。
たとえ、40歳位で実務経験バリバリであっても、若手税理士の方がランクは上位になります。
中には給与が高い大手の会計事務所(外資系など)もありますが、やはり税理士と非税理士は格差はあり、逆に大手会計事務所のほうが格差は大きい可能性があります。
もし会計事務所に就職したい場合は、税理士を志す覚悟が必要になります。
働きながら税理士試験の勉強するのは大変
将来税理士になることを前提に会計事務所に就職したと仮定します。
当初の計画では、仕事を覚えながら実務経験を重ね、一年一科目ずつ税理士試験に合格すれば、5年で税理士になれると考えているかもしれません。
しかし、それは現実を知らない大学生だからこその発想で、現実には大量の業務をこなしながら税理士試験の勉強することは、言うは易く行うは難しです。
会計事務所で働いている人の半分以上は、働きながら決して高くない給料を、専門学校(◯AC、◯原)に授業料という名のお布施をしています。
しかも、そういう人は自分のアイデンティティを保つために税理士試験を諦められません。
会計事務所は常に人手不足です。大学生が新卒で就職する場所とは思えません。
本気で税理士になるという覚悟があれば、大学卒業後に税理士試験に専念する期間があっても、会計事務所に就職できます。
会計事務所の業務内容は事務所ごとに違う
大学生にとって就職先の業務内容は分かりません。会計事務所であればなおさらです。
筆者の知識でいうと、会計事務所でも業務内容や特徴は千差万別です。
医療系に特化した会計事務所もあれば、新設法人を狙い撃ちした会計事務所もあります。
中小の会計事務所では知識のない新入社員に、研修もしないで仕事を丸投げする可能性があります。
逆に大手の会計事務所では、業務の一部分を繰り返しやらせ、数年後には、それしかできない職員になっている可能性もあります。
それほど違いがあるのが会計事務所です。そんなリスクを負うよりも、一般企業の経理を経験するほうが実務に強くなる可能性があります。
実際に、会計事務所の職員より実務に強い企業の経理マンを何人も見たことがあります。
まとめ:会計事務所は税理士試験のリーチ又は準リーチしてから行っても遅くない
大学生が新卒で会計事務所に就職しないほうがいい理由を紹介しました。
夢がない話にガッカリした人もいるかもしれませんが、現実はこんなものです。
税理士を志すのであれば、税理士試験の科目合格が3つか4つになった時点で会計事務所に就職しても遅くありません。
新卒で会計事務所に就職するよりも、一般企業で働きながら税理士試験にチャレンジしてみるのも、一つの手段です。