税理士なのに税金の本が苦手だ。
難しい専門用語が多く、人に感動を与えようとする気が全く無い。
しかし子供の頃から本をよく読んできた。記憶にある一番最初に読んだ本は南方熊楠の伝記だったと思う。
伝記の内容に感動したというよりも、文字を読むことで本の奥へ進んでいけることが楽しかったのだと思う。
毎日スピードは遅いながらも本を読み、母に「今日は◯◯ページまで読んだ」と報告していた記憶がある。
それから、20年ほど経ち税理士になった今でも、本を読む習慣は相変わらず続いている。
ジャンルは主に小説が好きで、物語の中に自分が入っていけるような感覚が好きだ。
これまで税金や経理についてのブログを書いてきた。なるべく私見を挟まないように気をつけていたけれど、これからは読んだ本のあらすじを感想を挟みながら紹介していこうと思う。
決してネタに困ったわけではない。が、ブログを続けるには直球だけでなく変化球も必要だと思い始めた。
西加奈子『漁港の肉子ちゃん』
本を読んでいて声を出して笑ったことはあるだろうか?
自分はマンガを含め小説を読んでも、引き込まれることはあっても、声を出して笑ったことは数えるほどしかない。笑ってもエッセイを読んでクスクス笑う程度だ。
もちろん飲み会での会話やテレビを見て笑うことはよくある。しかし、本となるとほとんどない。
それは、本を読んで人を笑わせるテクニックは、他のものと違う独特のものがあるからだと思う。
最初に紹介する西加奈子著『漁港の肉子ちゃん』は、本で笑わせてくれる数少ない小説だ。
東北地方の縁もゆかりもない漁港に住み着いた肉子ちゃんと、血のつながりはないが共同生活をする小学生の喜久子との日常を描いた作品だ。
あらすじは批評は、ウィキペディアでもAmazonのレビューでも見てもらえばいいと思う。
それよりも言いたいのは、この本を読んで生きることの大切さや強さを感じたことだ。
税理士として独立したけれど、それほど仕事がなく、心が折れそうになる自分がたまに顔を出すことがある。
しかし、この小説を読むと、生きていることを否定せず、前を向いてさえいれば、周りも自分を愛してくれるというメッセージが込められている。
しかも重要なメッセージが笑いの中で書かれている。ラストは笑いながらも涙が出てくるのを止められなかった。
是非読んでもらいたい作品だが、電車の中では読まないで欲しい。周りから変な目で見られることになることは避けられない。
補足
漁港の肉子ちゃんの表紙(アイキャッチ画像)は西加奈子さんの描いているらしい。
文才だけでなく絵心まであるとは!
また、西加奈子さんは、テヘラン出身の大阪育ちでプロレス好きで、話が面白いのもあり、さんまさんやオードリーの若林やピースの又吉とテレビやラジオによく出ている。
漁港の肉子ちゃんは2016年4月時点で映画化されていないが、おそらくされると思う。
しかし、映画で見るよりも、本を読んで笑うことの楽しさを知ってほしいと思う。
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