これから個人事業主として開業しようというときの、一番の悩みは「資金繰り」ではないでしょうか。
美容院や整体として開業する場合、開業資金の平均は1,000万円前後と言われています。
自己資金を200万前後だとすると、残りの800万円は外部調達、つまり融資で補うことになります。
そこで、これから開業する個人事業主のために、新創業融資の基本と賢い利用方法を紹介します。
この記事を読むことで、開業コストを大幅カットできるので、参考にしてみてください。
新創業融資は新規開業にやさしい制度
新創業融資制度とは、日本政策金融公庫が行っている融資制度です。
この日本政策金融公庫は、国が100%出資した金融機関のため、安心安全が保証されています。
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新規開業にやさしい理由
通常であれば、新規に開業する人は、実績や信用がないため、なかなか融資してくれません。
しかし、日本政策金融公庫は、「セーフティーネット」「日本経済の成長」「地域活性化と貢献」を目的としているため、新規開業でも融資を受けやすくしています。
日本政策金融公庫のメリット
日本政策金融公庫のメリットをまとめると、次のようになります。
- 中小企業や個人事業主にも積極的に融資してくれる
- 創業前でも融資してくれる ※創業後でも一定期間内なら可能
- 融資決定までの日数が比較的早い
- 金利が低い(1%から2%ほど)
- 返済期間が長い(運転資金は7年、設備資金は20年)
- 担保と保証金が原則不要 ※必要な場合もある
- 開業の経営相談にも乗ってくれる
新創業融資の利用条件
新規開業にやさしい制度だからといって、誰でも借りられるわけではありません。
融資を受けるためには、次の3つの条件すべてに該当する必要があります。
- これから事業を開始する。または、事業を開始して税務申告2期を終えていない
- 勤務経験または技能がある。または、雇用創出、経済活性化の事業
- 自己資金が最低10分の1以上ある
美容院や整体として新規に開業する場合は、条件1と条件2は満たしていると思いますが、条件3がポイントになります。
自己資金が不足していると、融資の比率が高くなり、毎月の返済が苦しくなります。また軌道に乗るまでの期間はひとによって違うため、不測の事態に備え自己資金が多いに越したことはありません。
なお、融資のために一時的に借りた資金は、「見せ金」と呼ばれ、すぐに見透かされ融資審査に落ちるので、やめましょう。
また、クレジッカードの審査と同じように、税金や公共料金の滞納があると、審査に落ちる可能性もあります。
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融資を申し込むベストなタイミング
美容師や整体師が独立する場合は、開業する物件を決めて、不動産屋との契約を済ませ頃が融資申込のタイミングです。
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内装工事がストップしない
上記のタイミングであれば、内装工事の準備と、融資の手続きを、並行して行うことができます。
融資が実行されたタイミングで、内装工事の業者への支払いをすることで、内装工事がストップするのを避けられます。
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資金繰りが悪化してからでは遅い
また、事業をはじめてから資金繰りが悪化したために、融資を申請しても断られる可能性があります。
そのため、あらかじめ開業後の資金繰りを考慮して、はじめから融資を申請することが有効です。
融資の申し込みの流れ
- Ⅰ.相談
- 店舗から近い日本政策金融公庫に相談します。[店舗検索]
- Ⅱ.手続書類の取得・記入・提出
- 支店またはHPから「借入申込書」「創業計画書」を取得・記入し、提出する[書類のダウンロード]
- Ⅲ.面談
- 公庫の担当者と「提出書類に沿った質問」「代表者についての質問」などの面談をします。
- Ⅳ.審査
- 手続書類と面談から融資を審査します。(3週間から6週間)
- Ⅴ.融資の実行
- 指定銀行口座に融資額が振り込まれます。
審査に落ちる具体例
新規開業にやさしい新創業融資ですが、次の具体例のように、審査に落ちる場合もあります。
- 自己資金が「見せ金」
- 税金の未納がある
- 事業経験が浅い(6年以上の勤務が有効)
- 自己破産している
- 以前に融資の審査に落ちている
まとめ:創業融資なら認定支援機関の税理士が有利
これから開業する個人事業主のために、日本政策金融公庫の新創業融資の内容をまとめました。
これらの申請を自分でしようとすると、不慣れなため上手く行かないことがあります。
そこで、経済産業省の認定支援機関である税理士がサポートすることで、有利な条件で融資が可能となります。
具体的には、「利率が低い」「無担保・無保証人枠の拡大」というメリットがあります。
開業コストには金銭的コストと時間的コストがありますが、その両方を大幅カットするのが、認定支援機関の税理士です。