湊かなえ『母性』を読みました。
著者は、兵庫県の淡路島に在住の小説家です。デビュー作の『告白』は大ヒットし映画化もされました。
本屋大賞を取ったので読んでみるかと思い『告白』を読んだのが出会いですが、今まで読んだことのない作風で、かなり衝撃を受けた印象があります。
そこから『少女』『贖罪』『Nのために』『往復書簡』『花の鎖』『境遇』『白ゆき姫殺人事件』などを読み、映画化されたものは見ましたし、ドラマでは夜行観覧車と高校入試を見ました。
一人称の表現方法や、後半にかけてのどんでん返し、読んでいて飽きませんが、すべての作品に通じて人間の嫌な部分(嫉妬や妬みなどの悪意)を表現しているのが特徴だと思います。
あらすじ&感想
本作も、『告白』や『往復書簡』と同じように、一人称で物語が進む作品です。
娘が自殺を図るところから物語が始まり、その結果に至るまでの経緯を、母親と娘の一人語りという形式で進みます。(母は神父への独白という形式、娘は手記という形式)
読むと分かりますが、相変わらず、読者を嫌な気持ちにさせる内容ですが、すいすい読めてしまいます。
夫婦の関係や、実の親子の関係、嫁と姑の関係、母になっても子どもでいたい心理などが描かれています。
告白ほどの衝撃はありませんが、サクサク読めるので、おすすめです。