美容院や整体院を始めようとする場合、よくある質問のひとつに、『自己資金がどのくらい必要か?』というものがあります。
また、『自己資金なしでも開業できるのか?創業融資を受けられるのか?』というものがあります。
そこで、これから開業する美容師や整体師のために、開業時の自己資金の目安や重要性について紹介します。
自己資金の目安は開業資金の24%
日本政策金融公庫のデータによると自己資金の目安は、開業資金の24%となっています。
美容院の開業の場合、平均して940万円の開業資金が必要とされているため、自己資金は225万円前後が目安となります。
ただし余裕を持った事業計画を想定すると、250万円から300万円の自己資金が必要となります。
なお、自己資金に準じるものとして、親などの親族や知人からの借入や出資も開業資金の大きな助けになります。
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不足資金は創業融資による借入
開業資金の不足分は、金融機関からの融資で補うことになります。
日本政策金融公庫の場合、融資の申込には事業計画書を提出しますが、その中には、必要な開業資金の明細と、その調達方法を記載しなければなりません。
内装工事や椅子・シャンプー台などで1,000万円の開業資金が必要な場合、300万円を自己資金、600万円を日本政策金融公庫からの借入、残り100万円を親からの出資のように、その調達方法を記載します。
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自己資金が多い具体的メリット
当たり前ですが、開業資金に占める自己資金の割合は、多いほうがいいことになります。
多ければ、融資の比率が下がり、毎月の利息の支払いが少なくて済みます。
700万円(金利2%、60回払)と500万円(金利2%、60回払)だと、トータルで10万円以上の利息の差が生じます。
また、開業してすぐに軌道に乗ればいいですが、赤字の期間が続くという事態も考えられます。そのような不測の事態に備えて、余裕のある自己資金が必要となります。
なお、開業した美容師が失敗したと思っていることの第1位が自己資金の不足です。
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自己資金をコツコツ貯めるメリット
自己資金の重要さは、金額の多さだけではなく、その調達方法も重要となり、審査に影響します。
美容師として勤務していた頃からコツコツと貯金してきたものであれば、その美容師の性格もマジメと判断されやすくなります。
逆に、どこから調達したのか分からない自己資金は、融資を受けるための見せ金と疑われる可能性もあります。
自己資金は、オーナーの性格や資質を判断する材料にもなっています。
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まとめ:自己資金と借入のバランスが大事
個人事業主が開業する場合の自己資金の平均やその重要性をまとめました。
開業すると黒字になるまで平均して1年ぐらい必要と言われていますが、赤字が長引く可能性もあります。
それを考えると、自己資金ゼロの状態で開業するのはリスクが高く、しっかりとした事業計画を立て、自己資金と借入金のバランスを取ることが重要となります。