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確定申告書だけじゃない!1月中に提出すべき給与支払報告書とは

投稿日 : 2016年10月21日 / 更新日 : 2016年10月21日

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美容室や飲食店を個人で経営していると、3月15日まで確定申告書を提出していれば大丈夫だと思っていませんか?

実は、税務や経理で提出すべき書類は、確定申告書の他にもいくつかあり、とくに1月は提出すべき書類が重なっています。

具体的には、『給与支払報告書』『法定調書合計表』『償却資産税申告書』の3つが1月末日が提出期限となっています。

そこで、美容室や飲食店を経営している個人事業主のために、今回は給与支払報告書についてまとめました。

他の2つについては、記事最後にある『関連記事』からチェックしてみてください。

※この記事は、平成28年時点の法令を基に、個人事業主(特に美容室と飲食店)のための記事となっています。予めご注意ください。

住民税の計算資料となる給与支払報告書の解説

3分でわかる給与支払報告書

給与支払報告書とは

給与支払報告書とは、個人の住民税(都民税や市民税・県民税をまとめた呼び方)を計算するための資料です。

住所のある市区町村に提出すると、市民税課の職員さんが翌年の住民税を計算してくれて、5月頃に住民税を通知してくれます。

なお、源泉徴収票と間違えやすいですが、税務署と本人に渡すものを源泉徴収票といい、市区町村に提出するものを給与支払報告書といいます。(内容は同じ!)

[関連記事]

自分でできる給与計算│スタッフの源泉所得税の計算と納付書の作成

なるほど!給与や報酬で源泉所得税を天引きしたときの2つの仕訳方法

提出義務者

給与支払報告書の提出義務者は、給与を支払っている事業主です。

美容室や飲食店のオーナーさんは、12月に従業員の年末調整をして、その結果を市区町村に報告するまでが一連の流れとなります。

なお、年末調整の手順は『小さな美容室の店長が従業員の年末調整ですべき5つの手順』を参考にしてみてください。

住民税の納税

住民税は、本人が銀行等で納付する『普通徴収』と、事業主が給与から天引きして納付する『特別徴収』の2種類があります。

特別徴収は、5月中頃に納税通知書と納付書が通知されるので、それに従って給与計算します。納税は年12回に分けて毎月納付しますが、従業員の数が常時10人未満の場合は、届出書の提出で年2回にまとめることもできます。

提出範囲

給与支払報告書の提出範囲は、1月1日に在籍する従業員(パート・アルバイトを含む)前年に退職した従業員です。給与の金額が少なくても原則すべて対象となります。

ただし、市区町村によっては、住民税が課税されないほど所得が低い人は提出義務がない場合もあるので、ホームページをチェックしたり、市民税課に問い合わせてみましょう。

なお、法定調書合計表の提出範囲となる150万円や500万円とは関係ないので、混同しないようにしましょう。

提出期限

給与支払報告書の提出期限は、毎年1月31日です。ただし、31日が土日となる場合は、翌営業日になります。

提出先

給与支払報告書の提出先は、住所がある市区町村の住民税課です。

従業員の住所は、年末調整で提出してもらった扶養控除等申告書で確認できます。

従業員の住所が複数ある場合は、住所ごとにまとめて市区町村へ提出します。

給与支払報告書のマイナンバー

平成29年度(平成28年分)から給与支払報告書にマイナンバーを記載することになりました。

マイナンバーの記載がないからと言って、罰則があるわけではありませんが、法律上は記載することになりました。(個人的な意見ですが、どこまで徹底されるかは未知数です。)

[参考ページ]

社会保障・税番号制度<マイナンバー>について

なお、改正に伴い、給与支払報告書(源泉徴収票)のサイズが、A6サイズからA5サイズに大きくなりました。(記載内容が増えたせいで、A6サイズだと書ききれなくなったのでしょう)

4枚綴りの給与支払報告書・源泉徴収票

年末になると給与支払報告書が税務署に置いてありますが、だいたい4枚綴りになっています。(3枚綴りもありますが)

1枚目と2枚目は、市区町村へ提出する給与支払報告書です。原則2枚とも提出します。

3枚目は、税務署へ提出する源泉徴収票ですが、金額によっては提出義務がない人もいます。
源泉徴収票の提出範囲は、記事最後の関連記事より『法定調書合計表』の記事を参照

4枚目は、本人用の源泉徴収票です。確定申告で必要となるため、12月分の給与明細と一緒に渡します。

総括表の書き方

総括表とは、給与支払報告書の一番上に乗せて提出する資料で、提出先の市区町村に住所がある人の情報をまとめたものです。

書き方はマイナンバー(法人番号)の記載が追加されましたが、それ以外は以前と同じです。様式は原則決まっていますが、市区町村によって独自の総括表を使っている場合もあります。

記載例として、総務省が公表している統一様式で、美容室のオーナーが総括表を書くと下記のようになります。

給与支払報告書の書き方と記載例

  • 受給者の総人数:事業主が雇用する従業員の総数(住所は関係なし)
  • 報告人員:提出する市区町村に住所がある従業員の数
  • 報告人員のうち退職者人員:前年中に退職した従業員の数

市区町村の独自の総括表では、普通徴収と特別徴収の人員を記載したり、仕切板を挟むこともあります。
その際は、同封されている書き方や記載例を見ながら作成しましょう。

まとめ:従業員がいる美容室や飲食店は提出義務あり

事業主が1月に提出する3つの書類のうち、給与支払報告書についてまとめました。

美容室や飲食店などスタッフや従業員を雇用しているオーナーは、必ず提出する義務があるため参考にしてみてください。

提出を忘れると従業員の住民税が通知されず、6月以降の給与計算ができなくなってしまいます。

なお、この他に1月に提出すべき書類は『償却資産税申告書』と『法定調書合計表』もあるため、忘れないように注意しましょう。

関連記事│1月に提出する書類

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