はじめて美容室を開業するときに、個人事業主としての『印鑑』が必要なのか迷いませんか?
印鑑の通販サイトを覗くと、法人のように3種類の印鑑(角印・代表者印・銀行印)が個人でも屋号を使って作ることができます。
しかし実際は、個人事業主であれば、法人ほど厳しいルールがあるわけでもなく、必要性もそれほど高くありません。
そこで、美容室のような現金商売の個人事業主だと、法人の印鑑を準備しなくていい理由をまとめてみました。
代表者印│設立登記が必要ない
代表印(代表者印)とは、会社の実印の役割があり、会社を設立登記した法務局で登録する必要があります。
個人でも市区町村役場で実印を登録しますが、代表印はその会社バージョンという位置付けです。
個人事業を開業するときは、原則として設立登記が必要ないので、事業用の代表印を用意する必要がありません。
(法人は個人とは別の人格となるので必要となります。)
個人事業で重要な契約の際に実印が必要なときは、個人の実印を押印することになりますが、美容室など現金商売の個人事業主で実印が必要となる場面はそれほど多くありません。
銀行印│認印でも口座開設できる
銀行印とは、金融機関の口座開設の際に必要となる印鑑で、預金の払い戻し、振り込み、小切手の振り出しなどの金融取引で必要となります。
預金口座の開設の際に登録するのが銀行印ですが、個人名義でも屋号名義でも同じですが、個人の認印で開設することができます。そのため特別に銀行印を作る必要がありません。(屋号名義の場合は、手続きが個人名義よりも煩雑になります。)
現金取引が中心の美容室などでは、銀行印の必要性がそれほど高くありません。また最近では、振り込み業務もパソコン上から、ネットで振り込むケースが増えてきました。
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角印│請求書や領収証を発行しない
角印とは、請求書や領収証・源泉徴収票などに押印する四角の印鑑をいいます。法人の場合は社印とも呼ばれ、その書類が会社が発行していることを意味しています。
実印や銀行印のように登録するものではないので、会社の認印のように日常的に使う役割があります。
個人事業主の場合の角印は、文具店で販売している三文判でも代用することができます。しかし取引先や客からの見た目を気にする場合は、形は法人の角印に似せて、刻印は屋号で作るケースもあります。
美容室や飲食店など現金商売では、請求書は発行しないですし、レジスターを設置して領収証の代わりにレシートを発行するため、角印が必要になるケースはそれほど多くありません。
まとめ:厳しくない個人の印鑑のルール
業種によっては、個人事業主の開業時に法人と同じ印鑑を準備しなくてもいい理由をまとめてみました。
個人事業主でも、体裁を整える必要がある業種もあるため、そのような場合は開業時に、法人と同じ形式の3種類の印鑑を準備してもいいかもしれません。
体裁やイメージ・必要性を考慮しながら、開業時の印鑑を準備してみてはいかがでしょうか。