有栖川有栖『女王国の城』を読みました。
本作は、学生アリスシリーズや江神二郎シリーズと呼ばれ、大学の推理小説研究会の江神部長とその部員が活躍する推理小説シリーズで、第4作目となる長編です。
この他に『月光ゲーム Yの悲劇’88』『孤島パズル』『双頭の悪魔』がありますが、本作だけでも楽しめるので途中参加オーケーです。
なお、謎解きしながら読むと面白かもしれませんが、筆者は苦手なので、頭を使わずなぞるように読みましたが楽しめた一冊です。
あらすじと感想
部長の江神さんがふらりと大学から消えてしまうところから物語が始まります。
推理小説研究会の部員(アリス、マリア、望月、織田)4名は、僅かな手がかりをもとにレンタカーで小さな集落(神倉)へ向かいます。
神倉は、数年前まで静かな集落でしたが、野坂公子を代表とする人類協会のもと、宗教都市として有名になった村でした。ただ、普通の宗教と少し違うのは、会祖の野坂御影が村の洞窟で遭遇したという宇宙人のペリパリを崇拝し、将来来るべき宇宙人に祈りを捧げているところです。
部員4名は、江神部長を救うべく人類協会に掛け合い何とか会うことが出来ましたが、そこで思いがけず殺人事件に遭遇します。
しかし人類協会は、警察へ届け出ずに、部長以下数名を教会内部に軟禁し、自ら犯人探しに動き出します。しかし悲劇が続くというあらすじです。
犯人は誰なのか?、どうやって殺したのか?、凶器はどうやって調達したのか?、なぜ警察へ届け出ずに軟禁したのか?など伏線がありますが、最終的に、江神部長が憑き物を落とすように解決してくれます。
本格ミステリーのルール
本作の終盤に登場しますが、本格ミステリーのルールなのか知りませんが、『読者への挑戦』というページがあります。
これまで読んだ部分から、犯人を特定するための材料は提供したので、犯人を考えてくださいという読者への挑戦状です。
筆者は考えながら読むのが苦手なので、何も考えずに読み進めましたが、ミステリーファンは読み返しながら犯人を特定するのかもしれません。
他にも、ミステリーファンのためにエラリー・クイーンやワトソンの名前を登場させたりしてサービスしています。
ミステリーが好きな人は、おもしろいと思うのでおすすめの一冊です。