美容室やカフェを開始するときに、開業資金を確保するために、創業融資を申込むと思います。
融資の申込先は、日本政策金融公庫であったり銀行や信金であったりしますが、どちらでも必要となるのが『自己資金』です。
自己資金は、融資の審査に影響を与え、融資可能額へも影響するため、とても重要の条件の一つとなります。
そこで、創業融資の自己資金の重要性と自己資金を見せ金にするリスクについて解説しました。
自己資金の重要性
自己資金とは、開業資金のうち、創業融資や親兄弟からの出資以外の資金で、自分の通帳の残高のことをいいます。
親や兄弟からの出資や借入も広い意味での自己資金に含まれるかもしれませんが、厳密には自分の収入から貯めた資金のことをいいます。
親からの出資は返済不要なので、自己資金でもいいじゃないかと思うかもしれませんが、日本政策金融公庫など金融機関が見ているのは、融資した金額が返ってくるのかという点の他に、自己資金をどうやって貯めたかというオーナーの性格も判断しています。
日本政策金融公庫の考えとしては、まず、自己資金が多さで返済が滞るリスクを判断します。そして次に、自己資金をどのように貯めたかという点からオーナーの性格を判断します。
毎月の給与からコツコツ貯蓄した自己資金は高く評価されますが、突然多額の資金が振り込まれている通帳はその出どころが突っ込まれます。
たとえば、自分が面識のない第三者に融資する立場に立った場合、自己資金はあるけれど、その収入源を言えないオーナーを信用できるでしょうか。
創業融資を受ける際の自己資金が重要なのは、オーナーと面識がない日本政策金融公庫や信金が、唯一信用できる指標だからです。
見せ金のリスク
創業融資を受ける際の自己資金が重要なのはわかったと思いますが、それを見せ金にすることは絶対に許されません。
見せ金とは、創業融資を受ける際に自己資金として偽って申請する行為です。融資決定後にすぐに別の誰かに返却することで、実質的に自己資金なしの状態で融資を受けたことになります。
見せ金をすることは、融資する側を騙して、お金を得たことになるので、許される行為ではありません。
これも自分がお金を貸す側になって考えてみると良くわかります。自己資金を信用して融資したにも関わらず、それが見せ金で実質的には自己資金なしの状態でしたと知ったら、そのオーナーを信用できるでしょうか?たとえ返済を受けられたとしても次の融資をしたいと思うでしょうか?
見せ金という行為をすることは、日本政策金融公庫という公的な機関の信用を失う事になります。
まとめ:自己資金は創業融資の信用の指標
美容室やカフェを開業するときの、創業融資の自己資金の重要性と見せ金のリスクを解説しました。
創業融資をしてくれる金融機関、とくに日本政策金融公庫は公的な機関で開業するオーナーの味方です。
そんな味方になってくれる金融機関の信用を裏切らないようにしたいものです。