美容室のオーナーさんから、従業員が1年経たずやめてしまうといった相談や、募集してもなかなか従業員が集まらないという話を聞きます。
昔なら『嫌ならやめろ!代わりはいくらでもいるんだ!』が通用した時代もありましたが、今は若い世代の人口が減っているため、代わりがすぐに見つかるわけではありません。
個人経営の美容室や会計事務所は、顧客満足度を上げるだけでなく、従業員満足度も上げないと経営できない時代になりました。
そこで、従業員が辞めてしまう理由についてまとめてみました。小さなお店や事務所の経営者さんは参考にしてみてください。
人間関係の悪化・オーナーと合わない
仕事をやめる一番の理由は、人間関係ではないでしょうか?
入社前の募集要項ではわからない部分のため、実際に入社してから、または入社して数ヶ月してから気付くケースが多く、そこで自分に合わないやめてしまうケースが多くあります。
他の従業員仲間との人間関係の悪化もありますが、それ以外にオーナーの性格や社風・コンセプトに合わずに辞める従業員もいます。全社員が5人程度の個人経営の小さなサロンや税理士事務所ではオーナーとの距離が近く、短気ですぐに叱責するオーナーでは、従業員は逃げ場がなくやめるしかありません。
本来、味方であるはずの他の従業員やオーナーが敵になっている場合は、従業員がすぐにやめる可能性があります。
仕事内容が思っていたのと違う
募集要項や面接時に聞いていた仕事内容と、実際に入社してからの仕事が違う場合に、従業員がやめるケースがあります。
美容師や税理士など技術職として入社したにも関わらず、本来の仕事とは別に営業ノルマがあると、従業員にはそのノルマがプレッシャーとなりストレスになることがあります。
営業自体は売上に貢献するために必要なことではありますが、営業ノルマが達成困難な数字であったり、そもそも入社時に営業業務があることを説明していない場合、従業員にとっては『こんなはずではなかった。』と感じるかもしれません。
自分の成長と給与が比例しない
美容室や会計事務所など独立できる業種でよくあることですが、勤務経験を重ねてひと通りの仕事ができるようになっても、給与面での待遇が悪いと仕事をやめてしまうケースがあります。
その場合、転職するのではなく、独立開業という道を選ぶことがあり、その際に現在のお客さまを引き連れていくこともあります。
オーナーとしては利益を出すために、従業員の給与を抑えていたにも関わらず、その従業員がやめて、しかもお客さまを引っ張っていってしまうと、利益がさらに減少します。
また、その利益を補うために、残っている従業員の人件費を削るケースがあり、この悪循環がブラック企業の始まりです。(まさにブラック・スパイラル!)
独立開業できる業種では、従業員がやめると業務が回らなくなるだけでなく、独立してライバル店となって利益を圧迫することになります。
まとめ:やめる理由は『従業員満足度』
規模数人程度の個人経営の事業主のために、従業員がやめる理由をまとめました。
細かく分けるとたくさんありますが、大きく分けると次の3つの『ギャップ』に集約できます。
・オーナーや他の従業員との人間関係
・従業員が思っている仕事内容のギャップ
・従業員が思う適正給与のギャップ
オーナーとしては、売上や利益を伸ばさないと従業員の給与が払えないのだから厳しくなるのも当然。と考えるかもしれませんが、人口減少の時代では、従業員の満足度を上げないと人員確保が難しくなってきたのかもしれません。