大学生や一般企業で働きつつ将来税理士になりたい人は多いと負います。そのために会計事務所(税理士事務所と同じです)に就職や転職したい人もいると思います。
そんな人の多くが会計事務所の実態を知らないで入社するため、実態を知るにつれて自分に合わないと思い辞めていく現実があります。
そこで、僕自身が会計事務所に入ってから知ったことを紹介します。なぜ紹介できるかと言えば、自分が会計事務所勤務を経て税理士として独立しているからです。これから税理士を目指す人は参考にしてみてください。少しは役立つと思います。
① 税金の計算より資料を揃えるのが大変
会計事務所に就職しようとする人は、簿記や税法の知識が必要だと考え、資格の学校に通ったり、自分で専門書を読んでいると思います。
しかし、実際の仕事で重要なのは、申告書を作る前段階、つまり資料を集める段階だったりします。会計ソフトへの入力なら領収証や請求書が必要になりますし、所得税の申告なら控除証明書など、相続税の申告書なら残高証明書や公図、登記簿謄本などが必要となります。
登記簿謄本や公図など自分で取得できる資料は、自分で動けばいいだけなので問題ありません。しかし、控除証明書や契約書などお客さまに集めてもらう資料についてはお客さまにお願いするしかないので、お客さまによっては資料が揃わずに申告書が作成できないことがあります。
申告期限を気にしつつ、お客さまに催促の連絡を入れる難しさは、なかなか慣れるものではありません。
自分が思う会計事務所で仕事ができる人というと、会計や税法に詳しい人というよりも、お客さまとのコミュニケーションが上手く、資料集めが早い人になります。
② 事務職と言いつつ外回りが多い
会計事務所や税理士事務所というと事務職と思われているため、入社を希望する人には人と接するのが苦手という人もいます。
しかし、上記の通り仕事が増えてくると、お客さまとコミュニケーションを取る必要が増えてきます。
パソコンで会計データを入力したり、申告書を作成する時間よりも、お客さまから資料を集めたり、税務相談や税金と全く関係ない相談をしている時間のほうが長くなってきます。
そういう意味では、会計事務所は事務職というよりも、サービス業に近いのかもしれません。
③ 資格がなくても優秀な人が多い
会計事務所に勤める前は、正社員のほとんどが税理士か会計士なのかと思っていましたが、実際に就職すると有資格者の方が少なく、資格を持っている人が珍しいということを知りました。
そして勤務年数を重ねて分かってきたのですが、仕事ができることと資格を持っていることはイコールではないことです。自分自身30歳前に税理士試験に合格しましたが、会計事務所の中には資格がなくても優秀な人がたくさんいます。
当たり前ですが、資格を持っていても税法で知らないことは多く、そんなときは、資格が無いけれど優秀な人にアドバイスを求めることも多々あります。これは、会計事務所で実際に働かないと知らない事実かもしれません。
まとめ:実際に働かないと知らない事実
会計事務所で働きたい大学生や転職希望の人のために、僕自身が会計事務所で働いてから知った事実を紹介しました。考えれば当たり前ですが、意外に思うこともあったのではないでしょうか?
これらの事実を知った上で、会計事務所に就職し、将来は税理士を目指してがんばってください。