『先生なんてやめてくださいよ~(>ω<)』
税理士の仕事をしていると、たまにお客さまにそうやってお願いすることがあります。言ってるお客さまも別に敬意を込めて呼んでいるわけではないのは分かっています。会社で言う『部長』や『課長』といった役職で上司を呼ぶのと同じことですが、自分としては何か居心地が悪くなって苦手です。
先生といえば学校の教師や病院のお医者さんをイメージしていたのに、弁護士や会計士など士業も先生と呼ばれたりします。そこで、なぜ税理士が先生と呼ばれるのか考えてみました。
先生の定義とは
先生の定義がわからないので三省堂のWEB版で調べてみると次のような検索結果でした。
せんせい[先生]
(1) 学芸などを教える人.特に教員.(2) 教師・医師・作家・代議士などに対する敬称.(3) からかいの気持ちで人をさす語.(類)大将
引用│三省堂ウェブディクショナリー
代表的な職業としてはやはり教員や医師があり、その他に議員や作家も先生と呼ばれるようです。弁護士や税理士を先生と呼ぶのが正しい使い方はわかりませんが、「・・・代議士など・・・」のなどに含まれているのかもしれません。
考察すると、先生には2つの区分があり、「教える人」「(前時代的な古い考えでいう)社会的地位の高い職業」に分けられます。成り立ちなど勝手に想像すると、かつて教師のように本当に教える立場の人が、先生と呼ばれるうちに、社会的地位の高かった地元の代議士についても敬意を込めて先生と呼んだのが始まりのような気がします。(勝手な想像で申し訳ない)さらにそこから派生して、弁護士や税理士も先生と呼んだんじゃないかと考えられます。
税理士は帳簿屋または申告屋
税理士の社会的地位の高かった時代なんて昔の話で、今の税理士は過当競争で廃業する人もいるし、10年後には消える職業とも呼ばれたりするぐらいです。
仕事内容も、コンサルタントを売りにする税理士もいますが、つまるところ帳簿を作ることと、申告書を作ることに集約されるので、IOTやらクラウド会計やらシステムが進化すれば消える可能性はあるわけです。
そんななかで税理士の価値を考えるならば、顧客の良き相談役であったり、税務的な立場からのアドバイスが付加価値になってくるわけです。もし現代でも先生と呼ばれることに喜びを持っている前時代的な税理士がいるとしたら、それこそ10年後に消える税理士かもしれません。
税理士と顧客は対等な立場
税理士と顧客は対等でフラットな関係だと思っています。お金を払うから顧客が偉いというわけではないですし、税理士だから偉いということもありません。植木等の「お客様は神様です」という言葉も本来は違った意味だったようですし。
顧客が税金に対する知識がないのは当然なので、聞かれれば丁寧に答えればいいだけです。逆に税理士だって顧客の仕事の専門的な内容はわからないので聞くこともあるはずです。互いに協力して、なんで聞き合える関係が本来の健全な関係のはずです。
そんな税理士になりたいと思いつつも、難しい質問には逃げたくなったりもします。