株式会社などの法人を設立するためには、登記や定款で会社のルールを決めますが、その中の一つに事業年度があります。
事業年度というと3月決算というイメージがありますが、これは日本の上場企業が最も多く採用しているために定着したものです。実際にはいつでも自由に決めて良いことになっています。
そこで、個人事業主からの法人成りなど初めて法人を設立する小規模事業者のために、法人の事業年度(決算期)のルールや決め方について紹介します。
くどいですが、事業年度は自由に設定できるので、このブログ記事は参考程度に読んでもらえればと思います。
決算期のルール
事業年度のルールは1点『最長1年』であることです。厳密に言うと1年を越える事業年度も可能ですが、法人税の申告書は1年ごとに申告する義務があるため、自然と事業年度も1年単位になります。
また、月末である必要はないため、365日のなかで自由に決めて良いことになります。極端に言うと、15日など月の半ばに決算日を設定することも可能なため、妻や自分・子どもの誕生日を決算日とすることもできます。
実務上では、税金の計算が煩雑になるため月末を決算日とするのがほとんどです。
避けた方がいい決算期
事業年度を決める上で避けたほうが良い決算期は『繁忙期』です。理由は2点です。
ひとつ目の理由は、決算期は在庫の棚卸しなど税金を計算するための作業が必要となるため、繁忙期と重なると作業が時間的に困難になるからです。
法人税の申告は、原則として事業年度終了の日の翌日から2月以内のため、事業の繁忙期と決算月前後が重ならないようにしましょう。
ふたつ目の理由は、納税資金が不足しないようにするためです。売上の計上は入金時点ではなく販売時点(発生主義)が基本のため、売上を計上しても実際の入金が遅れると、税金を払うための資金が不足する可能性があります。
美容室や飲食店など現金商売では心配いりませんが、請求書を発行して2ヶ月後に入金されるような業種では注意しましょう。
おすすめ決算日
おすすめの決算日は、繁忙期の3ヶ月前の月末です。そうすれば繁忙期と申告期が重なりません。
たとえば、毎年12月が繁忙期となる事業なら、3ヶ月前の9月の月末を事業年度の終了の日とします。
まとめ:会社の事情で異なる決算期
はじめて法人を設立する小規模事業者のために、決算期のルールや決め方を紹介しました。
上場企業のような大企業でない限り決算を3月に持ってくる必要はありません。中小企業であれば自由に設定できます。
会社の事情によって決算日のベストタイミングは異なるはずです。繁忙期や申告スケジュールを参考にして、決算日を決めてみてはいかがでしょうか。