大崎善生『聖の青春』を読みました。
棋士村山聖の一生を描いた自伝的小説で、松山ケンイチ主演で映画化もされた作品です。
こんな人がいたなんて知らなかったので、すごい人がいたんだと驚き感動した必読の一冊です。
あらすじ&感想
幼いころにネフローゼ症候群という重い病に冒された村山少年は、重病の少年少女が生活する病室のなかで将棋に出会う。
動きたいけれど動けない病院の生活で将棋という翼を手に入れた村山少年は、将棋にのめり込んでいき成長につれてメキメキと実力を伸ばしプロ棋士を目指すようになる。
厳しい奨励会を勝ち抜けプロになった村山聖は、谷川浩司を倒すべく、同世代の羽生善治、佐藤康光、森内俊之、先崎学などの棋士達と切磋琢磨してA級棋士になるが再び重い病が村山聖の体に襲いかかる。
将棋に興味がなかったので、棋士の名前や将棋の戦法が出てくると分からないところもありますが、それ以上に村山聖という棋士の名人位への執着心と覚悟に驚きます。まさに事実は小説より奇なりです。
また村山聖という人の人間性や、周りの家族や棋士の人間性がすばらしいです。家族のように村山の世話する森信雄師匠は美しいですし、羽生善治さんとの定食屋での食事シーンや、死の間際に羽生さんに会いに行くシーンは言葉以上に伝わるものがあります。
将棋に興味がなくても読んでよかったと思える一冊でした。将棋始めてみようかな。