事業を経営していて税金が出そうだとわかると、何か効果的な税金対策や節税対策がないか探したことはないでしょうか?
この考え自体は、中小企業の社長や個人事業主なら当然ですし、間違っているとは思いません。しかし、経営者のなかには間違った税金対策をしているケースもよくあります。
そこで今回は、身近な例として先日体験した駐車場の無料という例を使って、よくあるけれど間違った税金対策を紹介します。
小さい会社の経営者さんや、美容室など個人事業のオーナーさんは参考にしてみて下さい。
1000円以上のお買い物で駐車場が無料
先日特に買いたいものはないけれど、本屋に寄ろうと車で大型のショッピングモールに行きました。
結局、欲しい本がなく何も買いませんでしたが、駐車場の整理券を見ると1000円以上の買い物で駐車場の料金が無料になると書いてあります。
これは店舗型の駐車場ではよくあることなので、欲しくはないけれど、お菓子を1000円分買い物してしまいました。
その後にお菓子を食べながら思いました。『駐車料金400円払ったほうが良かったかも』と。そして『600円分は損だったかも』と。
そしてこれを税理士として考えてみると、『これって規模の違いはあるけれど、税金対策でも同じことやってるかも』と思いました。
100万円の購入で税金対策
決算の確定前に利益が100万円あり、今年は税金が出そうだとわかると、税金を払いたくないという理由で、必要ではないけれどとりあえず100万円分の支出をして税金対策をしてみる。というケースがあります。
もちろん何か100万円分の購入をしても減価償却や貯蔵品や棚卸資産との関係で、全額経費になるとは限りませんが、とりあえず利益を減らすことはできます。
しかし駐車場の無料の理屈と同じで、無駄なものを購入して税金対策しても、それは将来利益を生みません。それならば、税金を納付したほうが残る資金は増えます。
この『何かを購入することで、何かの支払いから逃げよう』という考え方は、規模の違いはあるけれど、駐車場の無料と税金対策は似ていると思います。
まとめ:無駄な支出による税金対策は損
今回は、駐車場の料金を無料にするために、無駄な支出をした理屈が、よくあるけれど間違った税金対策の理屈と似ているという記事を紹介しました。
ただし、注意したいのは、購入するものが必要なものであれば問題ないということです。企業で言えば将来利益を生む可能性があるのものに投資した結果、損失(赤字)になったとしても、将来的には利益(黒字)になる可能性があるのですから。
良くないのは、税金を必要以上に嫌がって必要ない支出をすることではないでしょうか。