税理士の平均年齢は60歳を超えていることをご存知でしょうか。少子高齢化で若い税理士が少ないことを考えると、半分以上は高齢の税理士ということになります。定年という考え方がない業界のため、平均年齢が高くなるのは当然ですが、やや極端な状況です。
そんな税理士業界で、会計事務所(税理士事務所と同じ意味)の事業承継が増えています。引き継ぐ税理士は収入が増えて嬉しい半面、良くない面もあります。
そこで、会計事務所の事業承継のメリットとデメリットを考えてみました。
税理士事務所の事業承継のメリット
事務所を引き継ぐ最大のメリットは収入ではないでしょうか。一つの会計事務所の収入がそのまま引き継げれば、大きな収入アップになります。
しかも数年前から下がる傾向にある税理士報酬も、高齢税理士の古くからある会計事務所では報酬が高いまま維持されているケースもあります。
また、収入がいきなり増えることで生じる人手不足も、従業員を引き継げば大きな問題にもなりません。お客さんにしても担当者が変わらない方が安心という面もあります。
税理士事務所の事業承継のデメリット
メリットがあればデメリットもあるのが事業承継です。その最たるところが従業員の引き継ぎかもしれません。
会計事務所の職員が全員税理士の資格を持っているわけではないので、事業承継で従業員も引き継ぐことになることが考えられます。(一部の有資格者は、顧問先を引き継いで独立するかもしれませんが)
やり方や事業の進め方が違う従業員を引き継ぐことで、人間関係が悪くなる可能性があります。
また別のデメリットとして相続税の業務増加があるかもしれません。古い会計事務所は、お客さまの平均年も高いため、相続の問題が発生しやすくなります。相続税の申告が増えることは収入面ではメリットですが、相続税の申告経験がない税理士にとってはリスクの可能性もあります。
まとめ:良い面もあれば悪い面もある
会計事務所の事業承継のメリットとデメリットを考えてみました。
この他にも実際に事業承継すると、手続き面や業務面で問題はたくさん出てくると思いまします。それでも事業承継するメリットはやはり収入面での魅力があるからだと思います。
これから税理士の高齢化は進む一方なのを考えると、会計事務所の事業承継はますます増えそうです。また、税理士事務所の事業承継を専門に行う業者も出てきていますが、法律上の問題などが今後出てくるかもしれません。業界新聞等で特集してくれないかな。