区役所や税理士会では、地域住民の方を対象に無料の税務相談を開催しています。自分もたまに税理士として相談員を担当することがあります。
地域の税務相談は無料というメリットがありますが、その反面人気が高いため、人数制限があったり、時間制限(1人1時間など)というデメリットもあります。
そのため、相談者の中には、予約が遅く翌月に回されたり、相談できても制限時間内に相談が終わらないというケースもあります。
そこで、効率的に税務相談するための3つのコツを紹介します。はじめて税務相談をする人は参考にしてみて下さい。
登場人物を整理する
税務相談で大事なことは、まずは登場人物を整理することです。税理士と相談者は初対面のため、相談内容や問題点を共有していません。そのため、まずは相談内容の登場人物を整理しておきましょう。登場人物を明確に説明することで問題点や背景を説明しやすくなります。
- 贈与税・・・贈与者と受贈者
- 相続税・・・被相続人と相続人
- 譲渡税・・・売り主と買い主
- 同族会社・・・社長・取引先・親族など
上記のように、税目ごとに登場人物を整理しておくと、相談内容をお互いに共有しやすくなります。
金額を整理する
次に整理しておくことは金額です。税金の計算では金額によって課税関係が変化することがあるため、明確な金額がわからなくても、ある程度の概算額は予め整理しておきましょう。
ただし、正確な金額を提示しても、その場で正確な税額が計算できるとは思わないほうが良いでしょう。1時間程度の税務相談では税金を算出することはほぼできないので、次にやるべきステップを教えてもらう程度に考えておきましょう。
- 贈与税・・・贈与財産の時価
- 相続税・・・相続財産の時価、遺産総額など
- 譲渡税・・・譲渡財産の対価
- 法人税、所得税・・・取引金額
ある程度の金額を整理しておくことで、問題点も整理できるので、自分である程度調べることをオススメします。
正確な金額がわからなかったり、どのように調べて良いかわからないときは、関連する資料を持参するのも一つの方法です。手ぶらで相談に行くよりはスムーズです。
確認事項を整理する
さいごは、相談するポイントを絞っておくことです。漠然とした質問に対しては、漠然とした回答になる可能性があります。上述のとおり税理士と相談者はほぼ初対面のため、顧問税理士のように阿吽の呼吸で回答してくれるとは限りません。
相談内容の問題点を整理することで、確認したいポイントを絞ることができます。そうすることで具体的な回答をもらえる可能性が高くなります。
- 申告の必要性、税金の有無
- 申告書の書き方
- どんな税金が発生するのか(税目の判定)
- 手続きの方法
- 取るべき対策
- 相談すべき士業の種類
- 税理士の紹介など
まとめ:ポイントを絞って相談に臨む
限られた時間内で、効率的に税務相談をするための3つのコツを紹介しました。
はじめて税理士に相談する人にとっては、何を相談するかさえわからないかもしれませんが、この記事のように「登場人物」「金額」「問題点」という3つを整理することで、税理士に相談内容を伝えやすくなります。
また、上手に相談を説明できれば、問題点を伝えられなくても、税理士が問題点を見つけてくれる可能性が高くなります。
地域の税務相談は、相談料が無料というメリットがあるので、相談のコツを知って上手に活用してみて下さい。