平成28年12月に厚生労働省は、美容師と理容師の資格のあり方について検討会を実施し、そこで一方の資格を有する人については、もう一方の資格を取得しやすくすることが検討されました。
まだ検討段階ですが、成立すれば美容師と理容師のダブルライセンスが増えることが予想されます。
[参考ページ]
引用│厚生労働省ホームページ
国家試験の見直し内容
理容師と美容師の資格は、理容師法と美容師法という別の法律で管理されていたため、その教育課程と資格も明確に区分されていました。
しかし、顧客の多様化するニーズに対応するため、また資格を取得するまでの教育課程で共通する点があることから、一方の資格を有する者は、他方の資格を取得しやすくすることが検討されています。
具体的には、必修科目のうち『免除できる共通科目が増えること』、さらに『修行期間が2010時間から1020時間に短縮』されることが示されています。(上記リンクまたは下記図参照)
引用『理容師・美容師の養成のあり方について』│厚生労働省ホームページ
今後の開業形態の予想
美容師と理容師の両方の資格を持つことで、新規開業の形態も変化していくことが予想できます。
理容室でまつげエクステンションを行ったり、美容室で顔そりを行うなど業務の幅が広がることで、性別や年齢層など顧客ターゲットも変わる可能性があります。
この検討案が成立すると、美容室と理容師の垣根が下がりますが、その実態は理容師の資格を持っている人が、さらに美容師の資格を持つというケースが増えることが予想できます。(逆は少ないはずです)
美容室と理容室の出店数の推移を見ると、理容室は減り続け、美容室が増え続けています。これは顧客ニーズが多様化したことで、「容姿(髪)を整える」という理容室の本質では、顧客ニーズに対応しきれなくなっているからだと考えられます。
この顧客のニーズを考慮すると、需要がない理容室側が需要のある美容室側へ進出するという流れが当然予想できるからです。
ダブルライセンスの弊害
ちなみにこの流れは、会計士や弁護士など方業で食えない士業が、税理士登録する流れとよく似ています。
なぜか会計士や弁護士の資格を持っていると、税理士の資格が簡単に持つことができるのです。現在は少し改善されましたが、本当に変な制度です。
この制度の弊害として、会計や税務ができない税理士が増えたことがあります。これは専門的な勉強をしなくても税理士の資格が取れる資格制度に問題があります。(今は少し改善されています。)
今回の美容師と理容師の資格の見直し案では、共通部分の免除や修行期間の短縮など極端な見直しではないため、大きな問題は生じないと思いますが、実務上では多少問題は生じるかもしれません。