レコーディングダイエットを知っているでしょうか?
数あるダイエットの中でも定番の方法で『食べたものを記録するだけで痩せる』というシンプルな方法です。
このレコーディングダイエットですが、経理にも応用でき節税の効果があります。
そこで、個人事業主や家族経営の中小企業のために、経理のレコーディングダイエットについて紹介します。
この記事を読んで、過去の帳簿を見直して、将来の税金対策につながれば幸いです。
経理のレコーディングダイエットとは
本来のレコーディングダイエットは、『食べたものを記録するだけで痩せる』というダイエット方法ですが、経理のレコーディングダイエットは、事業を営んでいる事業者が『帳簿を自分でつけるだけで節税できる』という経理方法です。
平成26年から白色申告を含む全ての個人事業主についても帳簿を付けることが義務化されましたが、自分で帳簿を付けている人はどれだけいるでしょうか?
税理士に記帳代行を依頼している人も多いと思いますが、なぜ自分で帳簿を付けると節税効果があるのでしょうか?
経理のレコーディングダイエットの効果
帳簿には、事業の収入と経費を記録していきますが、毎月どれだけの収入があり、どれだけの支出があり、その支出の内容を把握しているでしょうか?
そこで、経理のレコーディングダイエットでどのような効果がもたらされるかを紹介します。
無駄な支出を防ぐことができる
自分で帳簿を付けると、何にどれだけ支出したかをチェックすることができます。
領収証や請求書を見直したり、税理士が作成した月次資料をチェックするだけでも効果はありますが、自分で帳簿付けることで節税の意識はより高まります。
帳簿を付けることで『本当に必要な支出だったのか?』『使いすぎたかもしれない』というプレッシャーを感じることが資金繰りの悪化を防ぎます。
経費の内容と金額を見える化できる
帳簿を付けるときは『日付』『勘定科目』『支払い先』『支払い内容』を記録します。
これを日々記録することで、月または年ごとの合計金額として計算することができます。
帳簿を付けることで『支払い内容』『勘定科目ごとの合計金額』が計算でき、無駄な支出や使いすぎた支出を見える化できます。
さらに、合計金額は申告書を作成する金額にもなるので一石二鳥の効果があります。
経理のレコーディングダイエットのやり方
経理のレコーディングダイエットとは、いわば帳簿の自計化のため、難しいことではありません。
用意するもの
自分で帳簿を付けるには『事業で利用した資料』と『帳簿』があれば充分です。
大企業になると資料がたくさん必要になりますが、個人事業主や家族経営の中小企業の毎月の資料(請求書や領収証など)はそれほど多くありません。
帳簿は会計ソフトがあれば問題ありません。もちろん文具店で売られている帳簿でも記録できますが。
記録方法
記録方法は、簡易帳簿や複式簿記の知識が必要ですが、会計ソフトには出納帳形式で入力できる機能がついているため、勘定科目のコツさえ知ってしまえば簡単に入力できます。
また、開業届を提出していると、税務署で開催される『記帳方法の無料説明会』に出席することができるので、初めて帳簿を付ける事業主は、基本的なことから学ぶことができます。
また、顧問税理士に経理を依頼している事業主は、帳簿の付け方の指導を税理士にお願いしても良いと思います。
損益推移表の活用
帳簿を付けるだけでも効果がある経理のレコーディングダイエットですが、推移表を活用するとより見える化の効果があります。
推移表とは毎月の勘定科目の動きを把握できる表のことをいい、推移表をチェックすることで、『支出が多すぎる月』や『支払いを忘れている科目』をチェックすることができます。
経理上の注意点
自分で帳簿を付ける付ける場合の注意点は、帳簿の付け方のルールに従わなければならない点です。誤った帳簿では税金の計算も誤ってしまう可能性があるからです。
そのため、上記の『記帳方法の無料説明会』や『市販の帳簿の付け方テキスト』や『税理士』から学ぶことができます。
また、最終的に確定申告書を作成するときは、税理士にチェックしてもらうと安心です。
まとめ:個人事業や中小企業にこそ有効
経理のレコーディングダイエットの方法と効果をまとめました。
ポイントは『経費の見える化』と『無駄な支出を防ぐ』の2点です。
帳簿を付けるのが苦手という人は、税理士の指導を受けながら、まずは現金出納帳から付けてみるのはいかがでしょうか?
きっと資金繰りの改善に役立つはずです。