税理士試験は、最低でも2年長いと10年以上かかることもある長丁場の試験です。ただし一度合格した科目は一生有効という『科目合格制度』のため、働きながら合格を目指す人が多いのも特徴です。
筆者の場合は、会計科目は受験に専念しましたが、税法科目は会計事務所に就職して働きながら受験しています。(長かった・・)
そこで、税理士試験と仕事を両立する場合のメリットとデメリットまとめてみました。
税理士試験と仕事を両立する場合のデメリット
働きながら税理士試験を受験する最大のデメリットは、当然ですが勉強時間が削られることです。
受験に専念すれば、1日10時間以上確保できる勉強時間が、仕事と両立すると3,4時間が限界(自分の場合)です。
しかし、このデメリットは科目合格制度の特徴を活かして、受験科目を1科目に限定すれば問題ないと思っています。全5科目を合格する期間は長くなってしまいますが、働きながら合格するには合理的な方法です。
具体的には、行きと帰りの通勤時間を理論暗記に充てることで、通勤中に2時間程度の勉強時間を確保できます。そして夜の2時間を計算の勉強に充てることで1日4時間の勉強時間が確保できます。
これを1年続けると最低でも1,000時間の勉強時間は確保できるため、合格できる確率が相当上がります。
言うは易く行うは難し。と思うかもしれませんが、実際筆者はこの方法で合格していますし、周りの受験生にはもっと勉強している人もいました。
また、小さなデメリットとして、不合格に慣れている先輩社員に流されて、同じ負のスパイラルに嵌まる危険性があります。これは合格に対する気持ちがあれば問題ないですが、会計事務所で働いていると陥るリスクが多少あるので注意です。
税理士試験と仕事を両立する場合のメリット
短い勉強時間というデメリットの反面、働きながら受験するメリットもあります。それが『実務の感覚』です。
受験に専念するとテキストの内容しか勉強しませんが、実務の世界ではテキストに載っていない問題も出てくるため、感覚的な面で受験に活きます。これは会計科目よりも税法科目でより実感できます。
ここ10年ほどの税理士試験の出題傾向は実務的というかタイムリーな問題が出やすいため、実務に触れておくことで受験専念組に対するアドバンテージとなります。
これは、会計事務所でより顕著ですが、一般企業の経理や営業でも役に立つと思っています。
当然ですが、法人税の受験生は、実際に法人の決算業務を経験している方が有利ですし、相続税の試験を受ける前に、実際に不動産の財産評価を経験しておいた方有利になります。(感覚的な面の話ですが)
まとめ
税理士試験を仕事と両立しながら受験することのメリットとデメリットを書いてみました。
まとめると、デメリットは『勉強時間の不足』、メリットとしては『実務の感覚』です。
ただし、どちらが有利とか不利とかではないと思っています。最終的には受験生それぞれです。
受験に専念したからと言って早く合格できるとは思いませんし、働きながら受験しても合格する人は合格します。