経理初心者にとって分かりづらい勘定科目が『預り金』ではないでしょうか?
どんなときに使うの?または、残高が合わない。などの悩みがあると思います。
そこで、経理初心者のために補助科目を設定することで、預り金勘定を使いやすくする方法を紹介します。
この記事を読んで、帳簿の作成に活かしてみて下さい。
預り金勘定とは
預り金とは、負債に区分される勘定科目の一つで、後日支払うものを一時的に預かっている状態の金額を言います。他の負債勘定との違いは、従業員など事業主以外の者に支払義務があるものを事業主が預かっていることです。
具体的には、従業員の給料から源泉徴収した『所得税』『住民税』や『社会保険料(厚生年金・健康保険)』を、事業主が一時的に預かっているケースで使います。借入金や買掛金・未払金との違いは、源泉所得税や社会保険料の負担者が事業主ではなく従業員という点です。
補助科目の設定
会計ソフトの購入したままの状態で使うと、預り金勘定は区分が一つのため、給与から天引した源泉税や社会保険料はごちゃ混ぜで管理されます。
ごちゃ混ぜで管理していると、『源泉税と社会保険料の残高がわからない。』『納付しても残高が0にならない。(マイナスになることもある)』というデメリットが生じて納付時や決算時で混乱が生じます。
そこで、預り金勘定に源泉税と社会保険料の補助科目を設定することで、残高の管理が簡単になります。
補助科目の設定方法は、会計ソフトごとに違いはありますが、どの会計ソフトにも備わっている機能なので確認してみましょう。
預り金の仕訳
預り金の仕訳は、負債の勘定科目なので給与から天引き(源泉徴収)したときに『貸方(右側)』に記載します。
給与/預り金
そして、納付したときや、年末調整で従業員に還付したときは、負債の減少として『借方(左側)』に記載します。
預り金/現預金
残高が0になるタイミング
預り金勘定に補助科目を設定して帳簿を付けると、それぞれ金額を納付した時点で残高が0になるタイミングがあります。具体的には次の納期限ごとに残高が0になります。
源泉所得税
・毎月納付を選択している場合は、源泉徴収した月の翌月10日
・納付の特例を選択している場合は、7月10日と翌年1月20日
源泉住民税
・毎月納付を選択している場合は、源泉徴収した月の翌月10日
・納付の特例を選択している場合は、7月10日と翌年1月20日
社会保険料
・給与から天引きした月の翌月末日
ただし、天引きするタイミンが一月ずれることで、翌月納付分の社会保険料が残高となることもあります。
まとめ:区分ごとに補助科目を設定する
経理初心者のために、預り金勘定の使い方と補助科目を設定することで管理しやすくする方法を紹介しました。
預り金は給与計算や社会保険料と関係する分野のため難しい部分ですが、理屈を知って慣れてしまえば難しいことではありません。
青色申告をするためには帳簿を付けるのは義務※なので、少しずつ勉強してみましょう。
※白色申告でも帳簿付けることが義務となりました。