税理士試験の会場から出ると、たった今受けていた試験の解答速報が既に配られていることに『なぜ?こんなに早くに!』と思ったことがあります。
しばらくして知ったのですが、これは各専門学校に雇われたバイトが試験に潜り込み、試験開始30分後にすぐ退出して、問題用紙を持ち出します。それを試験終了までに専門学校が解答速報を作成して配っていたのです。
今も続いていると思いますが、この解答速報って意味あるの?そして信じちゃいけないと思ったお話です。
解答速報が間違っている
会計科目はそれほどでもありませんが、税法科目では解答速報の回答内容や配点・合格ラインが誤っていることがあります。これは、べた書きの理論が減り、応用問題が増えたことで判斷に迷うことが多くなったからです。
専門学校の先生でさえ迷うような論点を、受験終了までの1時間30分程度の時間内で正確に導くこと自体に無理があるような気がします。
10年ほど前の経験ですが、税法(科目は忘れた)を受験した後に会場の外で解答速報をもらったのですが、理論の柱が自分の回答と全く違っていて愕然とした思い出があります。
1年間の努力が水の泡になったと感じて相当落ち込みましたが、蓋を開ければ合格していた。ということがありました。
この解答速報で精神的にダメージを受けた受験生がどれだけいたかと考えると、とても罪深いことだと思います。とくに税理士試験など人生をかけた大勝負ではなおさらです。
配点と合格基準はわからない
税理士試験の特徴として、試験が終わっても模範解答も配点も提示されません。ですが、専門学校の解答速報には配点と合格基準のラインが提示されています。(今は公表されているのか?)
受験生は、この合格ラインで合格を確信したり、逆に落ち込んだりします。また来年の試験に向けて受験科目の選択に悩んだりします。
ですが、この合格ラインがあてにならない。実体験として合格ラインを下回った科目でも合格した年がありますし、合格ラインをクリアして自信があった科目でも不合格(A判定かB判定だったはず)になった経験があります。
追記:解答速報の廃止
その後Twitterで情報をいただき、試験開始後すぐの退出が禁止されたことで、試験会場での回答速報がなくなった。ということがわかりました。
たしかに、受験生を混乱させるだけの解答速報だったので、これはどちら(試験する側、受験生)にも良いことだなと思いました。
まとめ:受験生を振り回す解答速報
受験生を振り回す解答速報の悪い点を書いてみました。
特に試験が終わり会場の外で配られる解答速報は精度が低く危険です。正確な回答を知りたい場合は、後日専門学校から公表される解答速報をチェックしたほうが安心です。
ですが、配点についてはどちらにしても信じられません。
つまり、合格ラインをクリアしても安心してはいけないし、合格ラインを下回ったとしても合格を諦めてはいけないと思うのです。